こんにちは「dApps CryptoAsset Valuation」のなおです!
現在、仮想通貨の市況はいまいち、というか今はかなり悪いですよね。
実際、それでも2016年とかの水準からすると高いのですけど、2017年12月のアゲアゲ相場を体験するものとしては、いまいちという評価になってしまいますよね。
そんな中最近は仮想通貨への投資というよりは、純粋にブロックチェーンの技術に目を向けようということで、dAppsへの関心が上がっています。
そこで、本項では改めてdAppsについて取りまとめてみたいと思います。
すでにいろんなサイトでdAppsについては様々に言及されていると思いますし、技術的な議論であれば専門家の人の方が得意だと思いますのでここでは、特に、なぜdAppsが注目されているか、dAppsは世界をどのように変えるのか、について、なおの見解を紹介してみようと思います。
Contents
dAppsとは何か?
dAppsとは、本ブログでも何回かエントリーしていますが、Decentralized Applicationsの略となります。
日本語だと、「非中央集権的アプリケーション」とでもいうのでしょうか。
少し分かりづらいかもしれませんね。
もっと簡単に言ってしまえば、誰か一人(あるいは一つの企業)が管理しているようなものではない、ということです。
もともと、インターネットは思想的にアナーキスト的な誰かに縛られることを嫌うような人々が中心になって流行ったという経緯があります。
しかし、インターネットをスケールさせるためには実際には中央集権的な管理者の存在は必須となってしまうため、インターネットの初期の時に夢見た理想とはかけ離れたものとなってしまっているのが実態なのかもしれません。
そのような状況下において、インターネットをできる限り、非中央集権的なものとして取り扱えないか、というような思いを実現できそうな技術がここ10年あたりで出てきたのです。
それがブロックチェーンです。
このブロックチェーンを使うことで、今までは中央の管理者がいることで成立していた様々なことを非中央集権的なものへと移行することが可能となってきたのです。
この点、本ブログでも紹介しましたOntologyなどはその典型になります。

例えば、ある病院を掛かり付け医としている患者さんの医療履歴などの情報はその病院のみでしか管理していません。まあ当然といえば当然ですし、逆に他のところに勝手に共有されると患者さんからすると怖いわけです。
ただ、この患者さんが旅行中に怪我などをした時にかかりつけの病院での医療履歴を見る必要があった場合には、現在ではその病院に問い合わせるなどしないと履歴を見ることはできません。
これが患者さんの生命を左右するようないっときを争うような病状の場合は、逆にリスクがあることになります。
このように情報に信頼を付与する、ここでは不特定多数に患者さんの情報が公開されないようにする仕組みを構築運用するために支払っているコストは実は結構大きいものになりそうです。
情報に信頼を付与しつつも、もっと自由に情報にアクセスすることができないか?
この観点からOntologyは作られたのでしょう。
ちなみにOntologyではONTという仮想通貨を発行していまして、BINANCE(バイナンス)で購入可能です。
なおも実際にBINANCE(バイナンス)でONTを少しですが購入しています。
BINANCE(バイナンス)についてはここでは詳細を語りませんので、以下の記事を参考にしてください!
以上のように、ブロックチェーンの技術を使うことで今までのインターネットにおける脆弱な面を保管することができたアプリケーションのことをdAppsと呼びます。
それでは覚えやすいように以下でまとめますね。
✔Decentralized Applicationsの略
✔インターネットを運用していく上でどうしても中央集権になってしまう点を非中央集権なものへ移行することを特徴としている
✔そのためにブロックチェーンの技術を使っている
dAppsと普通のアプリケーションとは何が違うの?
上記ではdAppsについてのそもそもなんなの?という観点でエントリーさせていただきました。
この章も前章とかなり重なってしまいますが、重要なことですので再度議論を確認したいと思います。
dAppsと普通のアプリケーションが異なる点。
それはアプリケーションの運営が中央集権的になされているか否かという点でしょう。
例えば、MicrosoftのOfficeなどはアプリケーションですが、これらはMicrosoftという企業が、つまり中央集権的なものが主体となって、アプリケーションを支えています。
これに対して、dAppsはそのような主体的な企業などが存在しないアプリケーションということになります。
イーサリアム上でアルゴリズムとして記録されたスマートコントラクトに従い、アルゴリズムが従前の管理者として機能する様なアプリケーション。
それがdAppsの特徴でしょう。
✔中央で管理している人がいるかいないか問題がdAppsかどうかのキモ
✔管理している人がいないのがdApps
✔管理している人がいるのが普通のアプリケーション
dAppsにはどんなものがあるの?
dAppsの代表は現時点ではゲーム!
最近のdAppsで有名なのはゲームだと思います。
本ブログでも紹介しているBitpetなどは典型的なdAppsでしょう。

あとはもっとも有名なゲームはcryptokittiesでしょう。
Bitpetととても似ているゲームで、ゲーム内のキャラを交換することで儲けることが可能なものです。
cryptokittiesではゲーム内の取引で1300万も動いたとも言われています。
これらのゲームでのマネタイズは交換の際に生じる手数料を開発者たちが抜いているという感じになっています。
ここ最近で一番熱いゲームはeth.townでしょうか。
なおはeth.townはやっていないので、詳しいことは書けないのですが、キムジョンウンに類似したキャラクターが登場したり、そしてそのキャラが高値で取引されそうな感じがしていたりと世界的に話題なゲームです。
ゲーム以外ではどんなdAppsがあるの?
世界でもっとも有名なdAppsはビットコインということになります。
なんか、「え?そうなの?」って声が聞こえてきそうですが笑、dAppsの定義上、ビットコインもdAppsに該当することになります。
しかし、それではいまいちdAppsについての理解が進まないのも事実でしょう。
ゲーム以外のdAppsとして有名なのは例えば、DEXなどと呼ばれる、分散型取引所などがあります。
仮想通貨に限らず、株式や石油などの現物を取引するためには取引所が必要になりますが、取引所は中央集権的で中央に管理者がいる組織です。
このような中央に管理者がいるような組織ではなく、アルゴリズムのみによってガバナンスを効かせる事が可能で資産の交換を可能とする取引所のことをDEXと呼びます。
将来的にはDEXが一般的になり、徐々に中央集権的な取引所は規模を小さくしていくのだと思います。完全になくなることはないとはおもいますが。
他には、このブログでも紹介しているsteemitなどもあります。

詳しくは記事を読んで欲しいですが、steemitでは記事を書き、その記事がいいねをされるとそれに応じて仮想通貨を付与されるような仕組みとなっています。
これだけ聞くと何かインチキくさい感じがしますが、ちゃんとしたサービスです。
なおも登録だけはして見ましたが、まだあまり使えておりません(汗)。
使えるようになったら、このブログでも紹介する予定です!
✔代表的なのはゲーム!
✔ゲームだとクリプトキティーズなどが有名。最近だとイーサタウンがあついかも。
✔ゲーム以外でもいろいろあるけども、DEXなどが有名かも。
dAppsは世界やインターネットをどのように変える可能性があるの?
dAppsというかブロックチェーンは世界を変えますな
ブロックチェーン自体が世界を新たな次元へと誘うことはすでに自明なものとなっています。実際、各国の中央銀行などはかなりブロックチェーンについての研究を行なっています。それは、中央銀行はまさに中央であることによって、信用を創造しシニョレッジと呼ばれる通貨発行益を享受してきたからであり、その既得権益を奪われるかもしれない危機感からでしょう。
dAppsはブロックチェーンを使ったアプリケーションのことですので、ブロックチェーンの未来はdAppsの未来であるとも言えます。
それだけでは全然つまらないので、ここではイーサリアムなどのスマートコントラクトを取り上げて、なおが考える将来を紹介して見たいと思います。
dAppsはプラットフォームを作るためのプラットフォームである
このタイトルを読んでなおが言いたい事がわかる人はこのブログを読む必要はないかもしれません笑。
もっと詳しい事が書いてあるブログを読んだ方が得るところが多いでしょう。
なので、一読してわけわからんとなっても全然気にしないでください。
dAppsはなんども言っていますが、非中央集権的アプリケーションです。
そして、一般にプラットフォームとは「人々が集まる場ないしモノやサービスを交換する場」としての意味合いがあります。
最近のスタートアップ企業ではこのプラットフォームを新たに作ることや既存のプラットフォームをリプレイスすることで競争優位を得ている事が多いです。
例えば、日本で数少ないユニコーンと呼ばれる時価総額が10億ドル以上のベンチャー企業の一つであるメルカリは、ユーザーがPCからモバイルへと移行していることを敏感に感じ取り、アプリに特化したフリマサービスを提供することで、かつてフリマ市場でデファクトであったヤフーオークションをリプレイスして、フリマ市場のシェアを完全に塗り替えるに至りました。
このように、いかにしてプラットフォームを抑えるのかはビジネスを進める上でかなり重要なファクターの一つです。
さらに、このプラットフォームの考え方をどんどん進めていくと、究極のプラットフォームとは国家そのものである事が理解できると思います。
国家というプラットフォームは法定通貨を使い、税金として手数料をプラットフォームの利用者である国民から徴取します。
このような観点に立って、組織や仕組みをみると、プラットフォームには独自の通貨や手数料が存在する事がわかります。もちろん、厳密な意味でのプラットフォームの定義などは違うのでしょうが、ざっくりと言えばそのようにも捉える事が可能でしょう。
これはdAppsで提供しているものとほぼ同義です。
この意味でdAppsはプラットフォームを提供するプラットフォームだと思うのです。あるいはプラットフォームを提供するプロトコル*1であるとも言えそうです。
近い将来にdAppsを用いて独立国家の宣言を行う国家が出てくると思います*2
dAppsが抱える問題点って何かあるの?
開発者が少ない問題
dAppsの抱える問題点、それはズバリ、開発できるエンジニアが少ないこと</でしょう。
PythonやJavaScriptなどを使うエンジニアですら現状は人手不足なのに、dAppsを開発することができるようなエンジニアは少数なのが実態なのでしょう。
そこで度々本ブログでも紹介しているオンラインのプログラミング講座などで皆さんも少しずつブロックチェーンに関するプログラミングを始めてみてはいかがでしょうか。
なおも始めようと思っています。
読もうと思っているのは、はじめてのブロックチェーン・アプリケーション Ethereumによるスマートコントラクト開発入門です。
これをベースに基礎をある程度身につけてから、TechAcademy [テックアカデミー]のブロックチェーンコースを受講してみようかと思っています。
あるいは独学することが苦手な方は、逆に動画で勉強してから知識の定着の確認のために、本を読むという利用の仕方もありでしょう!
あ、本で学ぶ際にお勧めなのは、IT開発関連書とビジネス書が豊富な翔泳社の通販『SEshop』 になります。
以下にリンク貼っておきましたので、ちょっとチラ見してみてもいいかもですね!
<h3 id=”ブロックチェーンに内在する問題”>ブロックチェーンに内在する問題</h3>
dAppsはブロックチェーンを使ったアプリケーションなので、ブロックチェーンに内在する問題は当然にdAppsにおいても発生することになります。
ブロックチェーンの問題点は様々に議論されていますが、大きな問題点としては、スケーラビリティの問題が挙げられます。
スケーラビリティの問題については本ブログでも紹介した・・・はずですが(やばい記憶が曖昧になってる笑。これ書き終わったら、ちゃんと探してリライトしよう笑)、要はあるdApssに参加する人が増えることによって、送金のスピードが遅くなってしまったりする問題のことです。
すごい簡単に言えば、Dハロ*3などの時にディズニーランドがまじで機能していないのと同じようなものです笑。
これを解決するための手段も様々に検討されていて、例えば、全ての取引をブロックチェーンに記録するのではなく、必要最低限のものだけをブロックチェーンに記録してあとはブロックチェーン以外のところで記録するような取り組みも始まっています。
これはオフチェーン取引といわれるものです。
✔開発できるエンジニアが少ない問題
✔スケーラビリティ問題
スケーラビリティ問題については、参加する人数が増えることによって色々と厄介なことが起きちゃう問題と考えておけばまあ間違いない
終わりに
dAppsについて少しは理解していただけでしょうか。
ブロックチェーン関連のサービスを理解しようとすると、次から次と出てくる用語を一つ一つ押さえる必要があります。
大変な面もありますが、理解できたときの達成感は他に変えがたい面があります。
そして、何よりもこれから世界を変えるだろうと言われているサービスについて少しずつでも理解が進むことに嬉しさを感じる事ができます。
dAppsを簡単にでも理解できた場合は、実際にゲームなどで触ってみることをお勧めします。
やはり実際に触ってみないことにはわからないことはありますしね。
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*1:プロトコルについては理系的な議論はできないですが、文系的な観点からは少しできます。それはその時代その時代において何がもっとも力があるのかという議論です。かつては王様を中心とした完全な中央集権的な仕組みがパワーの源泉となっていました。これが徐々にハブ空港のように地域地域で中心となるような物はあるが絶対的な中心点というものがなくなってくる世界へと移行します。そして現在の世界ではデータベースが分散負荷型のものがあるようにプロトコルによって支配される中心点のない世界へと移行する過渡期であると言えそうです。このあたりの議論を詳細にした文献としてhttps://amzn.to/2GqVBUSgがあります。
*2:厳密にいうと国家というプラットフォームを成立維持させるためには、プラットフォーム内での様々なルールの順守を強制させるある種の暴力が必要なるのかもしれません。そしてそれはプラットフォームとプラットフォームの境界線を守るためにも必要です。今の世界ではそれは国境線であり、その国境線を常に塗り替えようとする力通しがぶつかることである種の均衡状態を成立させているのが軍事力であると言えそうです。この点で、実はブロックチェーンが本当にスケールするためには軍事力との関係性が重要なのではないかとなおは思っています。
*3:ディズニーランドで行われるハロウィンのイベント。この時期のディズニーランドはくそ混みで、入場制限などがされるのはザラである。実際、なおも一度このイベントをデートで使ったのですが、入場制限を食らってしまい、一緒に行った人の期限はうなぎ上りで悪くなり、急いでディズニーシーに避難してことなきを得ました。このようにディズニーランドが激混みなのでディズニーシーで遊ぼう、という発想がオフチェーンの発想に似ていると思います。いや、似てないかな笑。イメージとしてはそんな感じかと思います笑。