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dAppsのバリュエーションで重要になってくるvelocityの概念を用いて、いろんなdAppsを分析してみて、スケールしてるdAppsにはvelocityを下げる仕組みあるんじゃないかな問題を論じるの巻

こんにちは、「dApps CryptoAsset Valuation」管理人のなおです!

dAppsを作る際にどんなことを想定してくればいいのでしょうか。

むろん、プログラミングの知識は必須です。

しかし、スケールし、dAppsに関わる参加者の全てにとって利益があるような仕組みにするためにはトークンのバリュエーションを上昇させるための工夫は必須となってきます。

この点の理解がまだそこまで広まっていないのかもしれないなと思い、本稿をエントリーしてみようと思い立ちました!

それでは行ってみましょう!!!

dAppsのバリュエーションにおけるvelocityとは?

velocityとはマクロ経済学における交換方程式の概念であり、新古典派の理論的支柱。アベノミクスも実はこれに立脚してるよ。

マクロ経済学で習うことになる交換方程式。

これは数式で表現すると、

MV=PQ

と、なります。

このブログでもすでに紹介済みですので、ここではくりかえしを避けるために、再言及はしませんが、

初見だ!

という方は、以下のブログをリファレンスしていただけると良いかと思います。

https://www.daico-invest.com/2018-04-02-222727/

議論を続けますね。

MV=PQ

のうち、Mはマネタリーベースであり、カタカナでわかりづらいかもしれませんが、要はどれだけ当該通貨を発行しているのかという計数になります。

また、Pは物価水準であり、Qはその財やサービスの取引量になります。

つまり、PQとは価格✖︎数量というわかりやすい数式になっており、要は取引金額を表すこととなります。

ただし、ここでPはあくまでも物価水準ということで、クリプトアセットでいえば、

それはトークン価格ではなく、クリプト経済圏が提供するサービスの価格のことになります。

ここで、VおよびQは短期的には変動しないと仮定した場合は、Mの上昇がそのままPの上昇となることが方程式からわかると思います。

ざっくりと言ってしまえば、アベノミクスはこの発想で、日銀に対して物価上昇のコミットをさせるとともに、それを達成するためにMの上昇、すなわち、貨幣供給量を増加させることとさせたわけです。

ちなみに、Vの流通速度の概念って少し分かりづらいかもしれませんね。

Wikipedeiaによると以下のようにVの説明を行なっています。

Vは貨幣の流通速度を意味している。

VはVelocity(速度)の頭文字で、一定期間における貨幣の使用回数である。例えば、ある経済の貨幣が1000円札一枚しかないと仮定する。期間を1週間とする。このとき、一週間の間にこの1000円札が3回使用された(3回持ち手が替わった)なら、V=3となる。

ある経済圏の中で1年間での取引額の総額が100億だったとします。

で、その経済圏で使用される貨幣は10億しかなかったとします。

そうすると、この10億を何回も使用しないと100億の取引は実行できなかったことになりますね。

で、総額100億円の取引を成立させるためには10億の貨幣を何回使えば良いでしょうか?という問に対する答えがVの貨幣の流通速度、ということになります。

なぜvelocityを下げる必要があるのか問題

上記までの議論で交換方程式についてはご理解いただけたかと思います。

本稿のそもそもの議論の中心はdAppsが発行しているトークンのバリュエーションでした。

つまり、交換方程式におけるMがわかれば良いということになります。

そこで、交換方程式の両辺をVで割り算すると、

M=PQ/V

となりますね。

ここから、dAppsトークンのバリュエーションは当該トークンによる取引額合計からVすなわち流通速度で割ることで求めることができることがわかります。

PQをVで割り算をするということは、Mをより大きくするためにはVを小さくすればよいですね。

上記より、バリュエーションをあげるという観点からすると、velocityを下げる必要性があることが理解できたかと思います。

というのも、実際にかなり人気がでてきて利用者も多いトークンを開発したとしても、このvelocityが大きい場合はバリュエーションは下がってしまうことになってしまうからです。

この辺りを詳しく事例を用いて説明したものに以下があります。

英語なので少しわかりづらい方もいらっしゃるかもしれませんが、一読の価値はあります。

Understanding Token Velocity – Multicoin Capital

バリュエーションを上昇させるためにはVのみではなくPQも上昇させる必要は当然にあるよね。

上記までの議論でVの重要性については理解していただけたかと思います。

また海外のブログやCryptoassets: The Innovative Investor’s Guide to Bitcoin and Beyond

などを見るとVの重要性についての議論が多いので、そっちに目がいきがちですが、先ほどの交換方程式に戻りますと、

M=PQ/V

な訳なので、Mを上昇させるためにはVを小さくするだけではなく、PQを上昇させなくてはいけません。

PQとは取引額の合計でした。

つまり、dAppsが提供するサービスの取引額の合計です。

ある種当然に議論とはいえますが、提供しているサービス自体に付加価値が存在せず、したがって、誰からも見向きもしなくなってしまうようなサービスを展開しているようなdAppsのバリュエーションが、短期的にはノイズとして上がってしまうことはあっても、中長期で上昇することはないでしょう。

ですので、Mを上昇させるためにはVはテクニカルな意味合いとして重要ですが、それ以前にdAppsが提供するサービスの価値をいかにして高めていくのかという観点がバリュエーションにおいても当然に重要になってくるという点はここで重ねて強調しておきます。

結論。velocityはdAppsのバリュエーションで重要だし、開発チームとしてはできるだけ下がるような仕組みとするのが良い件。

見出しに記載したことで言いたいことを言った感あります。

ブロックチェーンが優れているのは、人を統べる際に、倫理や道徳に求めずに、インセンティブをうまく構築することで、個人が自らの利益を最大化する行動をとったとしても、いや、むしろとることによって、同時に結果として全体の利益も最大化されているような仕組みとなっている点です。

ここで言っている全体というのは、むろん、当初の開発チームも含まれることになります。

【事例分析】まずはsteemitについて分析してみる!

そのまえにsteemitとは何か?

本ブログでもsteemitについては記事にしています。

steemitは記事を書いて、それを読んだ人から「いいね」をもらう数に応じて仮想通貨がもらえるというdAppsです。

steemitではsteemという仮想通貨をもらうことができます。

steemは実際に取引所でも交換することができるため、ビットコインやイーサリアムを持っていれば、steemに交換することが可能です!

steemitにおけるvelocityを下げるための工夫を紹介します

しかし、このままの仕組みではsteemをもらったライターは生活のためにsteemをビットコインなどに交換して、その後にドルや円、元などのフィアットと交換してしまうかもしれません。

つまり、みんなが交換するような仕組みになっている場合はvelocityが高いということになってしまいます。

そうするとsteemのバリュエーションは構造上、上がりづらいことになりますね。

そこで、steemitではなるべくvelocityを下げるような工夫が内在しています。

velocityを下げるような工夫

それがsteem powerの存在です。

steem powerとは何でしょうか?

これはsteemを消費することで、自分の影響力を上げた結果として上昇するポイントのようなものです。steem powerが上昇すると将来入手できるsteemが増加します。

いまのsteemで我慢するか将来にもっと増えるような仕組みにベットするか。

steemの保有者はその選択ができます。

この仕組みを取り入れることで、steemを入手したとしてもすぐに他の仮想通貨に交換する人の割合は確実に減少するでしょう。

つまり、velocityを下げることができるようになるのです!

結論。steemitもvelocityを下げる工夫しとるな

上記までで、steemitがどのようにvelocityを下げるような仕組みを内在しているかの説明をしてきました。

もちろん、steemit以外のdAppsでもvelocityを下げるような工夫はいろいろしているのだと思いますので、今後もvelocityを下げる観点でどのような工夫をしているのかはウォッチしていきたいと思います。

終わりに

dAppsのバリュエーションにおけるvelocityの重要性に着目することで、本稿を書いてみました。

どのような形であればdAppsの成功と言えるかは各々の価値観によるところもあるとは思いますが、発行したトークンのバリュエーションが大きくなっていかないと、イニシャルの開発者たちにとっての適切なインセンティブが用意されないことになってしまいます。

つまり、dAppsのエコシステム全体にとってのインセンティブを構築するためにはイニシャルの開発者に対しても適切なインセンティブを用意する必要があり、そのためにはバリュエーションは大きくしていかなければなりまセン。

そして、そのためには、そもそものサービス自体が優れていることもむろん重要ですが、サービス以外のトークンの仕組み、とりわけどのように流通させ、どのようにステークさせるのかが極めて重要となります。

まとめ!バリュエーションを増加させていくために必要なもの

①サービス自体がそもそも世界にとって必要なものであること
②トークンの仕組みにvelocityをあげるような工夫がなされていること

もちろん、dAppsの作成にはプログラミングの知識は必須です。

その点は、TechAcademy [テックアカデミー]ブロックチェーンコース を受講するなどしてプログラミングの基礎を学ぶ必要がありそうですね。

という重要な示唆をしたところで、本稿の筆を置きたいと思います。

ご静聴ありがとうございました。